鍵が閉まらない!原因別の対処法やNG行為を鍵の専門家が紹介
鍵が閉まらない理由や解決方法・原因が分からない場合の対処法
玄関や勝手口・金庫など様々な場所に設置されている鍵。ある日突然「鍵が閉まらない!」というトラブルに見舞われるケースも少なくありません。長く使っていると、たとえ頑丈な鍵でも故障するリスクがあります。
そこで本ページでは、鍵が閉まらなくなった原因と、その原因に応じた解決策をご紹介。さらに、自分ではトラブルを解決できない場合の対処法や、鍵の修理時にやってはいけない行為についてもご案内します。
目次
鍵が閉まらないのは何が原因?
鍵が閉まらないトラブルの原因はさまざま。
そこで、まずは何に原因があるのかを考えていきます。
鍵に原因がある
第一に、差し込む鍵の方に閉まらない原因がある場合です。
鍵の先端が折れている・根元が曲がっているなど、鍵の破損が原因となるケースです。また、鍵の表面に汚れが付着していたり、鍵の表面が削れていたりすることも、鍵が回らなくなる原因となります。
鍵穴に原因がある
次に、鍵穴の側に閉まらない原因がある場合です。
鍵穴に砂やホコリなどの異物が詰まっているケースや、潤滑剤が減ることで滑りが悪くなるケースがあります。
鍵や鍵穴以外に原因がある
最後に、鍵が閉まらない原因が鍵や鍵穴ではない場合です。
錠前やドアノブが壊れていると、それが原因で鍵が閉まらないことがあります。また、建物全体の建付けが悪くなり、ドアのラッチボルトとストライクがズレることで鍵が閉まらないケースも発生しています。
鍵に原因がある場合の対処法4選
それでは第一に、鍵が閉まらない原因が鍵にある場合の対処法についてご紹介します。
①純正キーを差し込んでみる
一つ目の対処法として、鍵穴に純正キーを差し込む方法が挙げられます。
購入時や入居時に渡された純正キーを用意する
純正キーとは、最初から錠前とセットになっている鍵のこと。その名の通りメーカーが認めている鍵で、これを基に作られるのは合鍵と呼ばれています。
複製された合鍵とは異なり、純正キーは変形や劣化が少ない鍵です。そのため、鍵側に問題があるかどうかを調べるのに最適。一般的には、商品を購入した時や建物の入居時に渡されています。
閉まらない鍵の代わりに純正キーを差し込んで回す
純正キーを用意したら、普段使っている鍵の代わりに差し込んでみましょう。
鍵を回せた場合、普段使っている鍵に問題があると分かります。今後は純正キーを使うようにするか、純正キーから新しい合鍵を作り、普段使っている鍵と取り換えるとトラブルが解決します。
鍵を回せない場合には、鍵穴や錠前側にも問題があると判明します。鍵穴をメンテナンスするか、錠前ごと新しいものに交換するなどの対処が必要です。
②合鍵を差し込んでみる
鍵穴に他の合鍵を差し込んでみて、閉まるかどうか調べるという対処法も考えられます。
純正キーを元に作成した合鍵を用意する
純正キーを手本として作成されるのが「合鍵」です。
合鍵は、真鍮という加工しやすい金属で製造されています。鍵屋が短時間で合鍵を完成できるのがメリットですが、表面が摩耗で削れやすいというデメリットもあります。
未使用の合鍵は表面が摩耗していないため、純正キーの代わりとして、鍵側に問題があるかどうかを調べるのに最適です。
合鍵が無い場合には鍵屋に相談する
手元に純正キーや合鍵がない場合には、鍵側に問題があるか否を調べることが困難です。
こんな時はレスキューインフォに相談すれば、鍵穴から合鍵を作成したり、閉まらない鍵の修理を任せたりできます。
閉まらない鍵の代わりに合鍵を差し込んで回す
閉まらない鍵の代わりに、未使用の合鍵を差し込んで回してみましょう。
合鍵で鍵を回すことができた場合、鍵側に問題があります。以前の閉まらない鍵は処分して、新しい合鍵を使うことでトラブルを解決できます。
未使用の合鍵でも鍵を回すことができなかった場合には、少なくとも鍵穴や錠前側に問題があります。鍵穴をメンテナンスするか、錠前ごと新品に交換する等の対処が必要です。
③鍵の表面の汚れを歯ブラシなどで取り除く
鍵が閉まらない原因としてメンテナンス不足も考えられます。この場合には、歯ブラシなどで鍵表面の汚れを取り除くことが必要です。
③鍵の表面の汚れを歯ブラシなどで取り除く
使い古した歯ブラシで鍵の表面の汚れを掻き出していきます。鍵の表面には、金属製品に特有の黒ずみや油汚れが付着しがち。
特に、鍵の狭い溝にはホコリや油が固形化して溜まりやすくなっています。隙間も入念にブラシで磨き、汚れを落としましょう。
鍵の表面の汚れを丁寧に落としていく
鍵の汚れがある程度落ちたら、不要になったTシャツなどの乾いた布で拭き取ります。
サビの原因になるので、鍵には水を付けないようにします。もしも濡らしてしまった場合には、すぐに乾いた布やティッシュ等で拭き取りましょう。
④鍵の表面に鉛筆の黒鉛を付ける
潤滑成分の減少が、鍵の閉まらない原因になる場合もあります。このとき、鍵の表面に鉛筆の黒鉛を付けることで解決できるケースがあります。
一見すると裏技のような手段ですが、大手鍵メーカーも推奨する鍵のメンテナンス方法として有名です。
なるべく黒色の濃い鉛筆を用意する
黒鉛には、金属同士が接触した時の滑りを良くする成分が含まれています。
そのため、HBよりも2Bや6Bなど色の濃い鉛筆を使うことがオススメ。濃い鉛筆であるほど、その効果を実感しやすくなります。
鍵の表面を鉛筆でなぞって黒鉛を付けていく
鉛筆を用意したら、鍵の表面をなぞっていきます。まんべんなく鍵に塗って、黒鉛を馴染ませていくイメージです。ギザギザしている鍵山や、ディンプルキーの凹みにも黒鉛を付けましょう。
全体に黒鉛が付けられたら、鍵を鍵穴に抜き差しし、閉まりにくさが改善されたかチェックします。また、余分に付けすぎた黒鉛はティッシュなどで落としておくと、衣類や手を汚すことがなく安心です。
【注意】変形した鍵を差し込むと抜けなくなることがある
鍵が折れたり曲がったりしていることも、鍵が閉まらない原因です。
変形している鍵を差し込むと、鍵穴から抜けなくなる恐れもあるので要注意。抜けなくなると、出張鍵屋にシリンダーごと外してもらったり、錠前を新しいものに交換したりする必要が生じます。
費用だけでなく手間や時間も掛かるので、変形した鍵は差し込まないようにしましょう。
鍵穴に原因がある場合の対処法3選
次に、鍵が閉まらない原因が鍵穴にある場合の対処法についてご紹介します。
①鍵穴内部に溜まったゴミを取り除く
鍵が閉まらない原因が鍵穴側にありそうなら、鍵穴内部のゴミを取り除けば解決することがあります。
掃除機のノズルを鍵穴に近付けてゴミを吸い取る
掃除機を使えば、鍵穴内部に溜まったゴミを吸い取ることができます。
鍵穴部分に掃除機を近付けてスイッチを入れ、ノズルを軽く振りながら10秒ほどゴミを吸い出しましょう。
鍵穴の中のゴミは微細なものばかりですが、目には見えないチリやホコリを吸い取ることができます。
エアダスターで鍵穴の中のゴミを吹き飛ばす
掃除機が手元にない時・コードが鍵まで届かない時には、エアダスターで代用できます。
精密機械にも使われるエアダスターは、ホームセンター等にて数百円で購入可能。鍵穴に空気を吹き込み、中に溜まったゴミを吹き飛ばしましょう。
②鍵専用の潤滑スプレーを使う
潤滑スプレーを鍵穴に吹きかけると、閉まらない鍵も滑りが良くなり、トラブルが改善されることがあります。
ホームセンターやネットショップで潤滑スプレーを購入する
潤滑スプレーはホームセンターやネットショップで販売されており、安い商品は数百円で購入可能。他の鍵のメンテナンスにも使用できるので、一家にひとつ用意しておくと安心です。
なお、鍵に使うと故障してしまう潤滑スプレーもあります。潤滑スプレーが原因となり、逆に鍵穴を詰まらせるケースもあるので、鍵に使用可能かどうかは必ず確認しましょう。
鍵穴にまんべんなく噴射して潤滑剤を行き渡らせる
鍵に使用できる潤滑スプレーを購入したら、鍵穴の内部に広がるように吹きかけます。
大量に噴射すると、成分が鍵穴の中にこびりつく恐れがあるので要注意。スプレーごとに適量が記載されているので、その量を目安に吹きかけましょう。
③シリンダーの分解洗浄を鍵屋に相談する
上で紹介した方法でも解決できないときは、ぜひレスユーインフォにご相談下さい。
鍵の回らない原因が鍵穴内部に付着した汚れならば、シリンダーを分解洗浄してもらいましょう。
鍵屋に相談すればシリンダーを分解洗浄してくれる
鍵屋のスタッフは、錠前を外してシリンダーを分解したり、鍵穴の中の汚れを取り除いたりしてトラブルを解決します。
鍵穴の中の汚れに直接アプローチできるのは、専門知識を持った鍵屋のスタッフならでは。
レスキューインフォでもシリンダーの分解洗浄を承っておりますので、いつでもフリーダイヤルでご相談ください。
【注意】鍵穴内部に鍵以外のものを挿入するのは危険
鍵穴をメンテナンスする目的で、針金やヘアピン・爪楊枝を差し込んでいませんか?
細いものを鍵穴に差し込む行為は、先端が折れて抜けなくなるリスクがあります。
また、ゴミを掻き出せないばかりか、鍵穴の奥にゴミを押し込むこともあるので、鍵以外の細いものを無闇に差し込むのは止めましょう。
施錠できない原因が鍵や鍵穴以外にある時の対処法
鍵が閉まらない原因は、鍵と鍵穴以外の場所に問題が生じている可能性もあります。
原因が鍵と鍵穴以外の場所にあるときは、以下のような解決策が考えられます。
ストライクとデッドボルトの位置がズレている
「ストライク」とは、デッドボルト(かんぬき)を収納する部分のことです。
ストライクとデッドボルトの高さは通常揃っていますが、建物やドアの建付けが悪くなるとズレが生じます。この2つの高さが合わないと施錠できないので、鍵が閉まらない原因になります。
ストライクを固定するネジをドライバーで緩める
ストライクの高さを調整するために、ストライクを固定しているネジをドライバーで緩めます。
完全に外さずとも位置の調整はできるので、ネジは少し緩めるぐらいで止めておくのがオススメです。
ストライクの位置をデッドボルトに合うように修正する
次に、デッドボルトに合わせてストライクの位置を調整します。
デッドボルトの位置と見比べながらストライクの位置を合わせ、デッドボルトがストライクに接触せずに収納できる高さに修正しましょう。
ストライクのネジを締めて再度固定する
デッドボルトがストライクに収まる位置に調整できたら、その場所が変わらないように押さえながら、再びネジを締めていきます。
ストライクが固定されたら、鍵の施錠・開錠がスムーズにできるか試してみましょう。
錠前や鍵穴が凍結している
真冬や早朝に錠前が凍結している場合にも、鍵が閉まらないことがあります。
錠前や鍵穴を温めて氷が解けるのを待つ
錠前や鍵穴が凍結している時は、錠前を温めて氷が解けるのを待つのがオススメです。直接手で触ると凍傷の危険があるので、カイロやドライヤーなどを使うとよいでしょう。
また、急いでいない時には、太陽が当たる時間になるのを待つことでも解決できます。
鍵穴に水を掛けると錆び付きの原因になるので危険
氷を解かそうとして、鍵穴に水を掛けるのは危険。
急激な温度差で鍵が破損したり、鍵穴に付着した水が錆び付きの原因になったりします。
凍結している時は、氷が解けるように温めるか、時間を置いてから鍵を閉めてみるのがオススメです。
ドアノブのネジが緩んでいる
ドアノブのネジが緩んでいることも、鍵が閉まらない原因のひとつです。
ドアノブのネジが緩んで傾くと鍵が閉まらないことがある
ドアノブのネジは、メンテナンスせずに長く使用していると少しずつ緩んでいきます。
そのまま放置するとドアノブが傾いたり、グラグラと揺れたりするケースが。そして最悪の場合には鍵が閉まらなくなったり、ドアノブが破損したりする危険もあります。
ドアノブのネジをドライバーで締め直す
ドアノブの表面に見えているネジが緩んでいれば、このネジをプラスドライバーで締め直します。
強く締めるとドアノブに亀裂が入る恐れがあります。あくまでもドアノブを固定する程度で、きつく締めすぎないように気を付けましょう。
鍵が閉まらない原因が不明な場合の対処法
ここまで紹介した方法のどれを実行しても、鍵が閉まらないトラブルが直らない場合があります。
トラブルの原因が分からない場合には、どうすればよいでしょうか?
出張鍵屋に相談すればトラブルの原因を究明してくれる
鍵の専門家である出張鍵屋に連絡すると、現場に駆け付けたスタッフが原因を究明してくれます。解決方法が分からない場合にも、鍵を元通りに施錠できるまでサポートしてくれるでしょう。
レスキューインフォでも、原因が分からない鍵の施錠時のトラブルを24時間体制で解決中。出張作業のご相談は、いつでもフリーダイヤルでお待ちしております。
鍵が閉まらない時のNG行為
最後に、鍵が閉まらず困っている時にやってはいけない行為をご紹介します。
無理やり鍵を閉めようとする
鍵が閉まらず困っている時に、無理やり鍵を閉めようとすると、鍵を壊す危険があります。
具体的には、差し込んだ鍵を折ってしまったり、鍵穴や錠前の内部を傷つけたりする恐れがあるのです。
また、強引に鍵を閉めた結果、今度は鍵が開かなくなっては元も子もありません。あわてて施錠しようとせずに、鍵の閉まりにくさを解決することを優先しましょう。
クリップやヘアピンなどを鍵に模して鍵穴に差し込む
クリップやヘアピン・爪楊枝・安全ピンなど、鍵以外のものを鍵穴に差し込むのは、どんな状況でも危険な行為です。
先端が欠けて取れなくなったり、鍵穴の中を傷付けたりする恐れがあるからです。
トラブルの被害を拡大するリスクがあるので、鍵以外のものを差し込んではいけません。